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遠藤知巳
装幀:難波園子
装画:宇佐美圭司「気圏をめぐるNo2」1992(部分)
2016年2月12日発売
A5判 上製カバー装 768頁
定価:本体7,800円+税
ISBN 978-4-7531-0330-0
思考の外部に触れる!
現近代社会の全体を外から俯瞰する思考がリアリティを喪失して、近代の地平が見えなくなりつつある。本書は、主体の内部作用という薄明の領域に足を踏み入れながら、異世界性に触れようとする、西洋近代をめぐる言説分析。ミシェル・フーコーの『言葉と物』を凌ぐ近代社会を巡る言説分析!
目次
序 〈近代〉の深さへ――序にかえて
第1章 情念の体制
【補論1】日本語の「情念」について
第2章 社交の起源
第3章 修辞学と情念 1530〜1600
第4章 情念論の形成
第5章 過剰と秩序――17世紀の問題構制
第6章 二世界性
第7章 自体的記号の理論――「キャラクター」の地平(1)
第8章 記号・修辞・意図――「キャラクター」の地平(2)
第9章 個体性の転形――「キャラクター」の地平(3)
第10章 感情の体制――感覚・反省・語り
第11章 慈愛心と自己愛
第12章 美・道徳・感情
【補論2】「抗しがたさ」のもう一つの系譜――古典主義から美学へ
第13章 表象と「コミュニケーション」――美・道徳・感情(2)
第14章 感覚のジャンル化、共感のスペクタクル――美・道徳・感情(3)
第15章 観相学の地平
第16章 映像と超-内面
引用文献
あとがき
著者
遠藤 知巳(えんどう ともみ)
1965年大阪生まれ、1987年東京大学文学部社会学科卒業、東京大学大学院博士課程(社会学)単位取得退学。現在、日本女子大学人間社会学部教授。社会学(近代社会論、言説分析、メディア論、社会理論)。
編著:『フラット・カルチャー』(せりか書房、2010年)
共著:『ミハイル・バフチンの時空』(せりか書房、1997年)、『イメージのなかの社会』(東京大学出版会、1998年)『言説分析の可能性』(東信堂、2006年)など
訳書:ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』(以文社、2005年)